赤い薔薇のSoliloquy

華道教授で サッカー大好き お母さんです

『床の間の色紙』 

akaibara2008-09-18







Y・Tさんの作品



看脚下(かんきゃっか )

13年前、総持寺の禅師さま(当時九十二歳)から直接頂戴した直筆の書


「看脚下」」「脚下を看よ」禅 語

脚下とは自分の足下。
いつも大地を踏みしめて浮き足にならないこと
いかなる場合に臨んでも乱れない、よく調えられた心

自分の足下を顧みるとは「我が身」や「我が心」を振り返れ、
自分が今どうゆう立場にいるか、よく見極めて事に当たれと言うことです。


他人の批判はできても、自分の批判はなかなかできません。
他人のことを論ずるより、まず自分を見つめなくてはいけません。



今から九百年も前の人、中国は宋の時代
臨済宗中興の祖、五祖法演禅師(ごそほうえんぜんじ)がある晩、
三人の高弟とともに寺に帰る途中、どうしたことか提灯の火が突然消えてしまった。
すると法演禅師、即座に三人の弟子の対し、


「この場に臨んで各自一句を述べてみよ」 と命じた。


つまり、暗闇をゆくには灯火が何よりの頼り。その頼りの灯火が消えた。

さあ、「どうするか?]というのです。

師匠の命に応じ、三人三様の答を出したが、その一人、克勤(こくごん)は、
「看脚下」と答え、師匠を感服させた。


暗闇に灯火を失ったような人生の悲劇に遭遇したとき、人は多く右往左往してこれを見失い、
占いや苦しいときの神頼みに走り、あるいは悲劇のドン底に沈淪しがちなものです。


道は近きにあり、汝自身に向かって求めよとの教えが「「看脚下!」の一語です。