『四面(しめん)楚歌(そか)』
“周りを敵に囲まれた様子”
周りが敵や反対する人ばかりで、味方がいないこと。
城を囲んだ敵軍から楚の国の歌が聞こえてきたので、楚が降服したと思い悲しんだという楚の王の話がもとになった。
中国、秦末に始まった 劉邦 ( りゅうほう ) ・ 項羽 (こうう) の2大勢力の争いで、楚(項羽)軍10万を漢(劉邦)軍30万が包囲、漢軍を指揮する 韓信 は自軍の中から 楚 (そ) の出身者を選び、楚の民謡を他の一般兵に教えさせ、一斉に歌わせたのです。
兵糧も乏しい楚軍の頼りは援軍の到来でした。しかし、周囲から楚歌が一斉に聞こえて来ます。これは、すでに楚の国全体が漢に降ったのだろうか、それでは援軍も期待できない、と失望し、逃亡する将兵が後を絶たなくなりました。韓信の心理作戦が見事成功したのです。
故事成語/故事成句(こじ せいご/こじ せいく)とは
故事*2をその語源とする一群の慣用語句の総称。本来の中国語ではただ「成語」というが、日本では故事を語源とするものをその他の熟語や慣用句と区別するために、このような呼び方となった。